一年前の訂正と続きw

2005-06-04 - unnatural groooove


昨年の6月に書いた、というか書き写した記事。
HEAVEN「UNNATURAL GROOVER
リリース時のインタヴューの前置きby山崎洋一郎
このとき僕は

が、それ以降山崎氏からHeavenについて
言及される事は一切無く、3rd『快晴予報』
リリース時のインタヴュアーは兵庫慎司氏。

と書きましたが、これが全くの記憶違いで。
昨日書いたヒロト氏の記事を探しているときに
発見したインタビューby山崎洋一郎
今回はこれをはりきってお届け。



太宰治が明るくなったら俺は認めたと思う、凄い!って」とヘヴンの中村は言っていた。ヘヴンのセカンド・アルバム『アンナチュラル・グルーヴァー』が、まさにロック版太宰治と呼ぶべきシリアスで文学的な作品だっただけに、その言葉は非常に興味深かった。つまり、太宰治的な深さを経た上で、明るい世界を描き切ってやろうじゃないかという決意表明に違いなかったからだ。そしてリリースされたサード・アルバムはその名も『快晴予報』。相変わらず凝りまくったアレンジと観念的な言葉が飛び交うズシッとした手応えのアルバムだが、前作がズンズンと下降するトロッコだとすれば今回はぐいぐいと上昇する感じがある。いずれにしても、ヘヴンの「禅ロック」は、言葉のジャングルと化した世界に対して言葉のジャングルによって逆襲しようという「試み」の積み重ねなのだ。



・前作を作ってからどのように変化して、『快晴予報』というその名も明るい、こういうテーマの作品に至ったのかを聞きたいんですけど。
中村「すごい気分良くレコーディングに入ったからじゃないの? すごく『明るいのを作ろうぜ!』っていうノリになっちゃったんじゃない? 確かねえ、違ったっけ?」
塚本「いや、俺はあんま明るい/暗いはそんなにないかなっていうか、気分的に明るかったっちゅうかさ」
中村「もっとドライヴん時に聴きやすいのを作ろうとか」
塚本「それはあった」
中村「俺らのドライヴだけどね! 誰のドライヴじゃなくて(笑)」
・でもこれをドライヴにかけるのは嫌がる人も......(笑)
塚本「居るんじゃない?(笑)」
中村「もう、事故るからやめてって感じ?(笑)」
・はははは。それで、例えば前回のアルバムは”人間刑務所”が一つの象徴としてよく取り上げられて、ヘヴィーな作品だという位置付けでしたけども。
中村「うん。変化っていうか、もう『アンナチュラル・グルーヴァー』ん時でも別に『快晴予報』の発想ぐらいはあったと思うし、何にも変わってない。ただ表現方法はいっつもニュートライでしょう。ただそれをやってるだけで。それが進化云々って言われたら、俺は首を振っちゃうかもしんないな。チャンスさえあれば頭の中のことを、いつだって何だって出す事はできるんだよ」
・どういうこと?
中村「例えばレニー・クラヴィッツのことでよく思うんだけど。みんなファーストの時ワーッて飛びついたじゃん。あれは、みんな思ってたんだけどそれをやるチャンスがなかったっていうかさ、レニー・クラヴィッツはそれをやるチャンスがあったんじゃん。でもあの発想はみんなあったからやっぱ飛びついて、俺が2〜3枚目を聴かなくなっちゃったのはそういうことかなと思ったもんね。俺にもそのチャンス来たら『あ、やるだろうなあ』と思うっていうかさあ。そういうアイディアとかにはいっつも溢れてっからさ。だから一作一作云々っちゅうのは、マジ出し切ってガーーーッで終わりなんだもん!もうヘロヘロで『身体弱いね』って言われるくらいもうボロボロになっちゃうだけだからさ(笑)」
・なるほどね。
中村「だから今回も出来てるって言ったら出来てる部分もあるし、出来なかったっつったら出来なかった部分もいっぱいあるわけじゃん」
・作り手の気分としてはそういう感じなんだ?
中村「そうそうそう!」
・でも、すべて万事が万事そうっちゃそうだよね。
中村「そうっちゃそうだよ」
塚本「うん」
・よく考えたら、やってみたら「あ、これ俺の中にもともとあったよ」ってだけのもんだからね。
中村「そうそうそう! 俺そうやって作ってる。俺は前に進むっていうよりもともと出来たことが出来なくなってる自分のほうをよっぽど感じるから。基本的にもともと出来てたと思ってやってるもん! で、いまから出来るようになるとは思ってねぇっていうかさ。『ガキの頃はこんなの楽勝で出来てたじゃん!』と思ってやってるところはあるもんなあ。だから、あんまり自分の進化とか変化とかは興味ねぇっていうか」
・確かにそれは真理かもしんない。だいたい15〜16歳くらいで結構見えちゃってるんですよね。
中村「うん。音楽に対してだって、きっと全部見えたから飛びついたんだろうね。もう全部あると思ったから音楽に飛びついちゃったりしたわけかもしんないじゃない? でも、その全部がもういまは思い出せないわけよ。それを思い出しながらやってるような気がする。もうとにかく聴いたことがない音に仕上げたいわけじゃん! 誰も聴いたことなくて自分が聴きたい音にね。それの繰り返しだからさ」
・じゃあ、むしろ自分の中をうまく発掘したって感じですか。
中村「ううん、作った。もう全然発掘はしてない! 発掘ってのは見えてないところを掘り出しちゃったとこがあるじゃん。こうしちゃったっていう。それだったら『アンナチュラル・グルーヴァー』の方がいっぱいあると思う。今回はもう見えてんの! だからツカだって『これをやろう』と思ってるものをその形にしただけだから」
塚本「俺はもう言ってみれば自分の思惑・企み・意図の全部をここに込めてるよ! 全部が入ってるっていうだけ。だから、それ自体にはこう意味を見つけなくてもOKっちゅうこと」
・で、こうして2枚のアルバムを聴いてきて思うのは、真面目さが真面目さとして作品にどうしても出てしまうヘヴンというね。
中村「あるねえ。まあ今年の課題でしょう。ぶっちぎる時はぶっちぎったほうがいいべっていうさ。ただ、何か作らざるを得ないってところにいつも駆られてるんですよね。『これやらずに進めるか!』っていうところにいつも居るような気がする。これをいまやりたいのにこれを無視してこの先のことをやっていいのかっつったら、俺とツカはよくないんじゃないかな。例えば山崎さんが雑誌ちっちゃくする。他人よりちょっと時代を早く極めたいからいろんな方法を使ってスピードを増すわけでしょう。だから、そのストイックさに酔い痴れずには行きたいと思うけど、でも、それはもう出来るときに絶対にやりたいのね」
・でもそのストイックさが作品に出ちゃうのはどうなんでしょうね。
中村「いいんじゃない? 『だからこの次も待ってるんでしょう?』って。だから俺たちとしてはいつか終わったときに『これが好きだ』って1枚言ってもらえたらいいかもしれないし。それにヘヴンなんて半永久もう続いていくもんだと思ってるもん。で、やっぱ結局俺が面白いのは、前があってこれがあるからそういう質問をしてくれるじゃん。そこがもう馴染んでるなと思うしね(笑)。『ああ、そういう場所を認めてもらえてるんだな』っていうさ。やっぱ俺と山崎さんとの関係が近くなったか遠くなったかの問題じゃない? そこだよね。聴いている人との関係だと思う、作品そのものってより。そう考えると続けたいんだよ、何よりも」
塚本「初めは解散したかったって言ってたんだ」
・(笑)そうなんだ?
中村「さんざん言ってたから」
塚本「早いとこもうお互いに取るもん取って、とっとと解散出来るようにしようねとか言ってたんだけど。いまは全然そんなつもりないもん」
中村「だから、周りの人のことが目に入んなかったのが最近入ってくることもあるわけでさ。それも音を通じてね。ヘヴンの存在はなんか貴重に思ってきたね。ヘヴンに居て良かったなと本人が思うようになるんだったら、『これはいいことじゃない?』って感じ」
塚本「こんな人たち見てたいって感じがするから」
・はははは。
中村「破壊は好きだけど破滅は嫌いだなって雰囲気」



以上。
まさかこのアルバムを最後に活動休止してしまうとは
誰一人夢にも思わないような内容。せつない。


これがあって、そのあとN★M★AもSt.Ritaも
訳が分からんままに終わっているから、
愚息の今後にも一抹の不安が残るわけで。


『アンナチュラル・グルーヴァー』時のインタヴューも
出来るだけ早くUpしたいと思っています。
タイピングの練習にもなって一石二鳥なのでw