HEAVEN(1991〜)


自分の心とぴったり同じ大きさ、同じ形のゴロッとした
岩のような塊を飲みこんだような感じ。飲み込めるまでは
息が出来なくて苦しいし痛くて涙もいっぱい出た。
でも飲みこんでしまえば多少の違和感はあるものの
心の壁のあちこちに空いた穴が塞がって満たされる。
     

あれから二週間経ってようやく、心と塊が僅かに馴染んで
あれこれ考えられる隙間が生まれてきたようだ。
でもさっぱりまとまりません。たぶんずっと考え中。


ずっと僕の心の中にはHEAVENという名の大きな塊が
常に存在し続けてきた。2人がどんな活動をしていても。
中村敦はHEAVEN。
塚本晃はHEAVEN。
僕はHEAVENのファン。
今までもそう思っていたはずなのに、いつのまにか
その気持ちに蓋をしていたような気がする。


今回のライブが決まってからもその蓋が開こうとするのを
無理矢理抑えつけ、前日くらいの塚本さんの日記を読んで
蓋の上に漬け物石を乗っけて、当日塚本さんがひとりで
唄い始めたときには蓋に瞬間接着剤を塗りたくった。


ところが。


2人が並んでギターをかき鳴らし、ピタリと音を止めて
「HEAVENです」と名乗った瞬間、気持ちが爆発して
蓋は吹っ飛んだ。HEAVENだ!HEAVENは生きている!


「喜起謳歌」最初のツアーの1曲目もこの曲だった(?)。
磔磔の外で壁に耳を当てて聴いたことを思い出した。
塚のギターに乗る敦の唄声が普段と全く違って聴こえた。
どっしりと落ち着いていながらも嬉しそうに伸びて行く。


「風来」NOWHEREでいつも聴いている分よけいに、
違いがくっきりと分かる。まぎれもなくHEAVENだ。
敦のギターに乗る塚の唄声、重なる敦の唄声。あぁ。
そもそもNOWHEREでこの曲やってアルバムに
収録している時点で気付いておくべきだった。
HEAVENは終わってなどいないのだと。


「花咲く頃は遠くすぎても」そんなあれこれとは関係なく、
この曲での敦に圧倒される。2人にしか降りてこない何かが
降りてきていた。高め合う2人。


「人間刑務所」この日もし2人が一緒に何かやるのなら、
どうしても聴きたいと思っていたのがこの曲だった。
なぁなぁだったりいい加減だったりお祭り騒ぎであれば
わざわざこんな重たい曲をやる必要はない。
でもやった。やりきった。あの頃以上のテンションで。
これ以上ないくらい研ぎ澄まされていた。


近年活動を重ねるごとによけいなものを削ぎ落として
みるみるソリッドになってきた塚本晃
それに較べるとどうしてもグダグダ、ダルダル、
なにやってんだ、てな感じが続いた中村敦
敦に愛想尽かして塚にますますのめりこむひとが
たっくさんいるのも当然だと思います。


でも。
愚息がGUSOKUとなり2人での活動に戻った頃から
様子が変わってきて、ライブも引き締まってきて。
アルバム「APOLLO」を聴いたときに僕は
「やっとHEAVENの続きが聴けたことが嬉しい」と
どっかに書いたと思う。(見つからない....)


そんな今だからこそ、この日の2人は真剣勝負で
どちらも譲らず、HEAVENとして成立出来た。
もちろんひとによってはこの日のHEAVENを見て
「いや、敦グダグダ」
「いや、全然噛み合ってない」
「いや、悪くねぇけどまだまだやれるやろ」
「いや、塚いなくてもいいよ」
「サトシ様!(はーと」
などなど、色んな感じ方があったでしょう。
全部正しい。全部間違ってない。


Everything gonna be alright.


そういうこと。「人間刑務所」のアウトロで
このフレーズを2007年のHEAVENが響かせた。
びっくりして嬉しくて涙が止まらなかった。


Bob Marley & The Wailers「No Woman No Cry」。
生まれて初めてこの曲を聴いたときも、同じだった。
Everything gonna be alright. と繰り返すBobの声、
一緒に唄うオーディエンスの声、オルガンの音。
全てがあまりにも優しくてあたたかくて。
訳も分からずボロボロと涙を流した。
たぶん15年くらい前。ひとりぼっちだったころ。


この日この場所が僕にとってかけがえのないものになった
決定的瞬間だった。


「僕の耳に念仏」
「WE NEED LOVE」
「綺麗」
「SECOND LINE」
聴けて嬉しかった。楽しかった。以上w


他の出演者の方々、ありがとうございました。
ご一緒した皆様、ありがとうございました。
バナナホール、ありがとうございました。


これから当ダイアリーは、もっとHEAVENのことを
メインに書いていきます。もっともっと。
過去のインタヴュー記事やファンクラブ会報の記事、
アルバム、シングル、ビデオ、ライブ。
もちろん中村敦塚本晃GUSOKUもNOWHEREも
僕にとっては「HEAVENのこと」。あしからず。


塚寄りでも敦寄りでもなく、HEAVEN寄りで。
それはそれで決して平等でもなんでもなく、
ひとつの凄く偏った個人的視点。間違ってるかもね。


HEAVENとは - はてなキーワード
こっちも地味に更新しといた。


Live!
Bob Marley & the Wailers

Live!
Catch a Fire Burnin' Live at the Roxy: The Complete Concert Kaya What's Going on
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