あやまる。


HEAVENについて書かれた文章の中で
強烈に印象に残っているものがあります。


前々から紹介したいと思っていたので、
キーワードを作ったついでに記念に。
長いです。



文=山崎洋一郎


あやまる。我々はHEAVENを見くびっていた


一曲目の、異様なサンプリングSEが流れた瞬間から、なんかもう圧倒的な
次元の高さを感じさせる。そしてパーカッションの嵐、続いて力強い叫び、
そして研ぎ澄まされたギター・カッティング。
えぇ!? これがあのHEAVENか? と呆けている間にうねるグルーヴが、
めくるめくコーラスが、緩急自在なアコースティック・ギターが、
切り裂くSEが、包み込むピアノが、壮大なスケール感をもって次々と
襲ってくる。サイケデリック・ブルース&アコースティック・ファンク&
サンプリング・フォーク。アルバム一枚通せば、まぎれもないロックだ。
これがロック・アルバムである。そして言葉。物語と告白と警告が
入れかわり立ちかわり鼓膜を押し開き、脳ミソをグチャグチャにかき回す。
人間の心の中に入って行くためのトリップ・アルバム
『UNNATURAL GROOVER』。
中村敦塚本晃の2人に殴られるかもしれないが、
「いったいどうしたんだ!?」と問いたくなるほどの、異常な出来ばえである。


ROCKIN'ON JAPAN 1993年5月号
表紙:尾崎豊 P.10,11 (scene) より。


KATZEを黙殺していたJAPANが、
HEAVENを結成時から取り上げてくれた。
もうめちゃめちゃ嬉しかった。
当時副編集長?だった市川哲史氏が、
インタビューやライブ記事を
まめに書いてくれていた。


ところがその市川氏がROから
独立してしまった。
「今後はどうなるのか・・?」
と心配していた矢先の、この記事。


フリッパーズ・ギター小沢健二Cornelius
電気グルーヴソウル・フラワー・ユニオン etc.で
絶好調だった編集長山崎氏直々の、
興奮しきった熱い記事。