中村敦インタビュー1992年by山崎洋一郎

ROCKIN'ON JAPAN1992年5月号より。


突如、大傑作を作ってしまったHEAVEN、いよいよインタヴューである。元シェイディ・ドールズの、元カッツェの、という形容詞をまだ必要としていたHEAVENが、そんなものを全く必要としない強烈な作品を突然作ってしまった理由は何なのか、そしてそもそも中村敦塚本晃とはどういう人間であるのか。この2つの「?」をぶつけようと思う。たった2人だけで、しかもサンプリングやシンセサイザーも含めて複雑にからみ合ったこの大作を作り上げるためには、アイデアも技術もエネルギーも全てがかなりのレベルで要求されるはずだ。それほど死ぬ気で作るくらいの覚悟がないと、これまでのものはできなかったはずである。それはどんな覚悟だったのだろう。ファンクからフォークまで。ありとあらゆる音楽が森林のようにざわめくこのアルバムを文章で表現するのは至難の技だが、このインタヴューで、その音の核にあるHEAVENのエネルギーが見えると思う。



●まず、2人だけでレコーデイングしようと思った理由は何なのですか。
「俺が甘言ったのね、泣き入れてさ。もともとみんなでやるのって得意じゃねえってのがまずあって、今までレコーディングで気に入った様に歌えた事がなくてね。ライヴじゃ結構気持ちいい瞬間とかいっぱいあったんだけど、レコードじゃそれが無くてさ、『どうしてもそれが録りてえ、それが録れなかったら死んでも死に切れねえ!』っつって。塚本も俺も『とにかく2人で作りてえんだ』っつって。前のさ、他のメンツ入れて『コミュニケイションの疎通を図りましょう』みたいなのがうざったくてしようがなかったの」
●でも上手く行けばいいけど失敗したらヤパイよねえ。相当リスキーなやり方だと思うけども。
「でも他の事は全部試したんだよ。それしか残ってなかったんだ(笑)。戦略もクソもなくて、もうこれしかねえっつうとこまで来てた」
●だってまだ2枚目だろう?
「(笑)だって全然振り向いてないしさ、過去はバンバン捨てるし(笑)。ちょっと人様よりスピードが速い所があるかもしれない」
●異常に速いんだよ!(笑)。
「ガンガン作るし、バンバン捨ててくからね(笑)」
●で、2人でやってみてどうだった?
「すっげえ楽しかった!」
●思い通り?
「もう考え方変わったもん」
●どういう風に?
「あのね、もう疑わないんだ、あいつの事を。『ここからここまでは俺が全部やるから、その代わりお前はここからここまで全部作れ。文句があったら作った後に言ってくれ』っていうやり方をまずはっきり言ってから始めたんだけど、あいつが欲しいリズムは俺の中にあるし、俺が弾こうとするギターはあいつの中にあるから、そのやり方で何にも問題がなかったんだよね。俺がいいものを作ってあいつがイエスだったら進める、あいつがいいものを作って俺がイエスだったら進める。凄え単純な話で。それがもう全て上手く行った」
●で、また曲がかなりあって、ツアーでやってた曲とかもかなり捨てて書きまくってるよね。
「ただ新曲を入れただけだよ。アルバム用に書いたわけじゃなくて、ずっと普段書いてる曲をただバーッと入れただけで」
●ツアーでやってた曲を捨てたのは?
「やっぱ今の気持ちと随分違うから捨てた(笑)」
●早すぎんだよ!(笑)。
「そうみてえ(笑)。50曲か60曲あって、ほとんど捨てたよ」
●パカバカ曲ができるんだ?
「そんなあふれ出るわけじゃないよ。しぼり出してるんだ(笑)」
●一体どういう精神状態にあるんですか、あなた達は。
「死ぬよね(笑)。だから部屋じゃ絶対に書かないんだ。人里離れた所に行って合宿して。何もできなくなっちゃうんですよ。もうメシも食わないし寝もしないし」
●(笑)何故にそこまでするわけですか。
「そこまでしないと楽しくないじゃない?」
●常識が通用せんところまで来てるねぇ。
「(笑)10日間ぐらい部屋に入って毎日毎日同じ事してんの。超最高!」
●ノルマとか決めるわけ?
「ううん。2人でワーッと書きまくって、見せ合って納得したらOKって世界。で、できた分だけ持って帰る。テレビも何にも無いとこでさ、ラジカセしかないんだ。喋る事といったら『何食う?』しかない。彼は一日中書いてる。酒飲みながら一日中書きまくって、夜も朝も全然関係ない。で、2曲だけしか書けない時もあるし20曲の時もある。そういう感じ」
●そういうシステムはHEAVENになってから開発したものなの?
「うん、HEAVENになってから。多分、相手にインスパイアされてそうなったんだと思う。もともと自分の中に『物を書く』っていう部分は強力にあるんだけど、それが2人になってお互い触発されたんじゃない? すっげえお互いが厳しいからさ。あいつも俺も相手が書いた物を見て納得できない時は『納得できねえ』って言い切るから。1人で書くよりも逆にどんどん心の中に入っていって書かなくちゃならないんだ。エキサイティングなんだよ、それが。1人でバイク飛ばしてる時より2人乗りになった方が速い! って感じ」
●じゃあ2人ともが納得するものでないと……。
「ボツ。それは絶対に使わない。だってさ、個人的観念で書く詞なんていっぱいあるじゃん。そんなの「それはお前の理由だろ?』てなもんで、即ボツだよそれは」
●それでも「どうしても俺はこの詞じゃなくちゃいけないんだ!」ってどちらか一方が思い込んじゃった時はどうすんですか。
「もっといい詞を書くことしかない」
●(笑)。目茶苦茶わかりやすいな。
「詞で納得させて泣かさないと駄目だね。お互いがちゃんと絵が見えなきゃ駄目。で、クソ! と思いながらまたググッと書いて『どう?』『駄目!』。またグッと書いて『どう?』。で、『最高!』ってなったら進めるんだ。だから恨みつらみなんて散々たまってるよ。でもそんな事はどうでもいいんだ。とにかくいい詞に巡り合えたらそれでいい、っていう気持ち、それだけ」
●個人でもないし、バンドでもない。なんか凄く特別の結びつきですねえ。
「いや、本当はバンドにしたかったんだけど、2人しかいなかった。そういう事じゃないかな」
●で、このアルバム『アンナチュラル・グルーパー』は超ヘヴィーなアルバムなわけですが。
「どんどん内に入り込んでいったから」
●心の底の底まで落っこちちゃってるよね。
「いや、まだまだ落ちてないよ。でも、そういう事はいつも思ってる」
●人間の痛み、がテーマになってると思うんだけども。
「その痛みが何なのかがわかることはハッピーな事だからね。自分に嘘ついてる方が重くなるじゃん。自分がどんな奴か知れば知るほど気持ちのいい事じゃん。俺はそう思う」
●何も知ろうとせずに明るく振舞う事は、実は暗い人生なんだと、俺も思うよ。
「笑う事の意味を知ってる奴が、一番凄い奴だよ。そんな気がする」
●塚本君と2人でそういう話はするの?
「そういう話しかしない(笑)。別にお前の女がどうだの、親がどうだのなんて関係ないもん。そんなために2人が一緒にいるんじゃないもん。俺が病気であれ何であれ、そんなの全然関係ないから」
●他の奴と何が違うのかねえ、塚本君は。
「あいつは俺なの」
●ん?
「あいつは俺なの。あいつは俺だし、俺はあいつなの。俺と同じ事をやるんだよ、あいつは。俺が言う事を理解できるし、俺がやろうとする事をしたがる。だから一緒にやってる。そういう奴が他にいない、だから2人だけでやってる。凄え単純な話じゃん?」
●でも2人見てて全然違うぜ?
「でもあいつは俺なの」
●‥‥‥。
「何か変?」
●凄い変。
「ハハハハ、だけどさ、うざったいよ。あいつが俺だって事は、逃げられないもん(笑)」
●そうだろうな。俺なら逆に近寄りたくないね、そんな奴とは。
「でもやっばり他の奴じゃダメなんだ。ま、気楽な話の一つもしたいけどね(笑)、できないよね。たまには息抜きてえけどなーって思うけど、そういう事はまずできない」
●話を戻すけども、このアルバムの重さを最もわかり易く表しているのが"人間刑務所"という歌だと思うんですが。
「わかり易いと思うね」
●人間というのは圧倒的に孤独で、不自由で、つまり刑務所にいるようなものなんだというえらくどヘヴィーな認識ですね。
「するどい」
●いつ頃からこういう認識があったんですか。
「生まれてからず―っと」
●ハハハハハ。
「で、ようやく言葉にできたのが去年の夏」
●じゃあ暗い認識を抱えてずっとこの半生を歩んできたわけ?
「俺の中ではヘヴィーじゃないんだけど。自分のパワーを使いこなせないと意味はないよ、って歌だからさ」
●「俺達は自由だ! 何でもできるぜ!」って考えた方がとりあえずフットワークは軽くなる、という通常の考え方は中村君にとっては?
「全然ピンと来ない。だって自分の本当の姿をわからずに歩いていくのはイヤでしょう。フットワークなんか別に軽くしたいなんか思わないし。そんな事を思ってる奴の方が不自由だと俺は思うんだ。何でそんなにフットワーク軽くしたいわけ? ハイになりたいんだったらドラッグでもやればいいじゃん、ねえ? アドレナリンてのはさ、自分にかかっている術を取り払う事で出てくるもんじゃん。親とか友達との関係をちゃんと理解して、人間を理解する事が本当の意味でアドレナリンを生んでくれるんだからさ。過去へでも未来へでもイメージを飛ばしてさ。だから"人間刑務所"は俺にとって凄くハッピーな歌だよね」
●なるほど。
「こんな話ばっかりしてんですよ、2人で(笑)。インタヴューでは初めてだね。で、こういう話ができないからインタヴューやるのイヤなんだ。よくさあ、『どんなメッセージが伝えたいんですか』って聞かれるじゃない。いっつも思うんだけど、そんなもん歌を聞きゃわかるでしょ、って。それに俺は伝えたいもんなんて全くない、何か言いたいからって歌書いてんじゃねえよ。そんなところに詩人なんて住んでないよ」
●でもやっぱりHEAVENは表現者としての2人と、生身の人間としての2人がギリギリの地点で交わってるからこそ、みんなそのメッセージを知りたがるんだと思うよ。
「そうだね。そりゃそうなのかもしんないね」
●でも決して表現と人生がグチャグチャに混じり合ってるわけではないところが、俺はHEAVENがその辺の"生き様ロック"とは全然違うところだと思うんだよ。
「そう言われると凄えありがてえ。そのためにお互いを凄く厳しく見てるっていうところがあるから」
●でもゴッチャになる事もあるわけでしょう。
「そう、だから、その2つがクリアーに使いこなせた時に歌が書けるんだ。"人間刑務所"も、ずーっと生まれてから感じてた事をようやく書けたのが去年の夏だったんだからさ。クリアーできない俺がいた所が"刑務所"で、クリアーできたから俺はそこの事を書いた。だから一コ一コクリアーできないと歌は書けないよね」
●なのになんでそんなにバカバカ曲ができるんだよ!(笑)。
「楽しいんだよ(笑)。『ヴァーチャル・ウォーズ』って映画観た? 一番最後に脳味噌の中に入っていくシーンがあってき、そのシーンが俺が自分の頭の中はこんなんだろうってイメージしてたのと同じだったんだよ。細胞が周りに360°いっぱいにあって、六角形なんだよ――元素と同じ形してるんだよね、俺らの細胞って――で、それらの細胞をちゃんとコントロールできる位置にいないと人間は怒ったり泣いたりするわけ。でも、俺は泣いたり笑ったりしなくてもいいから、ちゃんとその位置にいて脳をコントロールしながら歌を書きたいと思ったんだ。その全ての細胞の中心の所で。それが俺が――中原中也でもランポーでも――そいつらに見る詩人の位置なのね。俺は自分の息子が死んだ時に『はい、笑って手を叩きましょう』って言える所に立ちたいなぁと思う。女だってなれるし何だってなれるじゃない。凄え楽しい場所だと思うんだ」
●でも、そのコックピットに座るためには精神的にタフでなくてはいけないし、相当勇気もいるよね。
「修業だよね(笑)」
●常識も持って生まれた性格も、何もかも捨てて裸になってかないといけない。
「そうそう、そのアクション、そのアクション。観念とか、重みとか、年とか、性別とか、親とか、全部捨てて何ができるか、ってとこにいつも居たいんだよ! こんな話するの初めてだけどさ、つい聞かれるからさ(笑)。でも本当、そこだけに居たいんだ。そこで鳴る音ってのは最高っなんだよ」
●今回、サウンドがやたら破壊的なのはそういう理由なわけだ。
「だってさ、俺、ジョン・レノンに『同じカッコして同じような歌を歌うのがロックだ』なんて習ってねえもん。そんな事、習ってねえもん。あの人に習ったのは『壊せ』って事だけ。壊れる時に歌ができるって事しか教わってないもん。今ある音楽をどれだけ壊せるかって事だよ。……俺さ、イメージの中であの世に行った事があってさ。変な話だけど白い雲の上にジョン・レノンジミ・ヘンドリックス、ジム・モリソン、ジャニス・ジョップリン、って大好きなヤツいっぱい居たんだ。そこに俺、ギター持って上がっちゃったのね(笑)。でさ、『歌ってみろよ』って言われて歌ったんだ。そしたら『俺の歌に似てるね』って言われてさ、ガックシだったよ。あの世で居場所がなくなったんだ。もう『ヤメタ!』と思って。『あいつらの知らない音楽作ってやろう!』と思って。あいつらを追っかけても何にもなんねえ。そんなのがロックなんて絶対嘘だ。だから結局ね、ブルースだとかロックンロールだとかいう音楽と比べれば、俺達の音楽はすっげえコミカルかもしれないしアレンジも変かもしれないけど、それは俺達にとっちゃ当たり前なんだよ。子供みたいにリズムとって、子供みたいに入れていくだけで」
●でもファースト・アルバムではそういう姿勢を感じなかったなあ。
「だから2人でレコーディングしたんだ、今回。やっばり人とやると出せないんだよ。だから2人でやる事にしたんだ。俺は頭の中のイメージを人に伝えたいんじゃなくて、ただ出すんだ。だから俺がやんないと駄目なんだよね。元々そう思ってはいたんだけど、やっと機会が訪れたっていう」
●で、曲の並び方とかサウンドの作り方が、トリップさせる感じになってるじゃん?
「よくドラッグ・アルバムだって言われる(笑)」
●なんか聞いてるとスピリチュアルな旅をしてるような気分になるんだよね。
「それはわかんないなあ。俺はやっぱり作る方で楽しむ方じゃないから」
●例えば音楽をアニメに喩えるとすれば―――ディズニーってあるじゃん。
「ディズニー? 俺、大好き!」
●で、手塚治虫っているじゃん。
「あの人も大好き!」
●俺も両方とも好きなんだけど、HEAVENって手塚治虫だっていう気がするんだ。
「へえ、ディズニーじゃなくて?」
●うん。ディズニーって面白いしトリップさせてくれるんだけども、出口と入りロが一緒なんだよね。つまり、ディズニーのアニメというのは見る前と後で見ている人間の心に大きな変化はないわけ。「あ―楽しかった」で終わるんだよ。
「なるほど」
●で、手塚治虫の場合は同じトリップでも、出口と入りロが違っててさ。つまり手塚治虫のアニメを見た後、その人は何らかの精神的成長を遂げているわけ。
「それって日本人だからじゃない? 日本人はやっぱりそういうのが好きなんだよ。妄想が人間を大きくさせたりするんだよ。そういうパワーは感じる、俺も。それとさ、多分、見る側が、つまり俺らがそういう人間なのよ。見てる間に色んなものを吸収して大きくなっちゃうんだよ。そういうのを好む人間っていうかさ」
●HEAVENはモロにそういう体質のバンドだと思うな。
「日本人のトリップだよね」
●エンタテイメントですよ、っていう開き直りが全く。
「ない。やっばりストイックなのが好きなんだよね、俺達って。日本人はやっばり常に崇拝できるものとか共感とかを求めながら何かをするんだよ。だから出口が変わるんだよ。そんだけ繊細なんだと思うよ」
●やっばり楽しいだけじや物足りないからロックを聴くというのは絶対あって、だからこのアルバムは凄いロックなアルバムだと思うね。
「そうだよね。ストイックじゃないとロックにならねえっていうのはあると思う。何かを求めて、っていう。俺もロックを好きになったのって、そういう部分だったと思うし」
●それにしても前作とは凄い変化だよ、やっばり。このスピードでこれからも行くとしたら、怖いね。
「うん、怖い(笑)。だから、普段の生活の中では曲書けねえんだ。いくらそのコックビットがいいってわかってても、さすがに毎日、エプリデイ、エブリタイム、エブリミニットそこに居たら死ぬよ。ブッ壊れるもん、頭。だから曲書く時は人里離れて集中して、そのコックビットに座って頭をブッ壊すんだ(笑)。結局さ―、人間って妄想を生産する生き物じゃん。想像で物を作るし、戦争までできちゃう。何だってできるわけじゃん。だからやり過ぎると、神様に近付くと、死ぬね、マジに。毎日そんなとこ居たら、ブッ飛んでっちゃうよ」
●しかも、すでにできちゃった曲はもう中村君にとってはどんどん過去になってくわけで。
「うん、もう興味全然ない」
●そうすると、さらにその先へとどんどんブッ飛んで行かないといけないわけで。
「書いた瞬間に出て行くからね。だから全然興味もないし覚えてもいないんだけど、それは"歌"になっているから"歌"として歌う事ができる。そういう感じだと思う。記憶を使ってさ、憶えた詞を歌うわけ。でも書く事はそういうものじゃないよね。どんどん奥へ奥へ行かないと」
●言うのは簡単だけども凄く困難な事だと思うんだけど。
「だからバンバン捨ててくよね(笑)。新しいものをまたガバーッと書いて『できた』って見せて」
●死なないように気をつけて下さい。
「(上を指して)『まだ来るな』って言ってるよ(笑)」



「根本的には何も変わってない。変わったのはレコーディングのやり方だけだ」と言う中村だが、今回のインタヴューでもわかる通りやはりHEAVENは突き抜けた。何の迷いもなく、未知の世界に向かって自分の泳ぎ方で泳ぎ始めた2人の姿がはっきりと見えるようになった。中村が口にする「心の中に入っていく」とか「本当の姿を知る事こそが喜びなんだ」といったセリフは、優れたロック・ミュージシャンなら誰でも言いそうなセリフではあるが、中村の場合はそれが教科書通りのコメントではなく本当に生き生きとした言葉として発せられていた。多分、今のHEAVENにとって、深い歌を書くという事が、土木作業員が穴を掘るのと同じぐらいストレートでシンプルな行為なんだと思う。2人して、全身でぶつかりながらギリギリの地点で歌を作る――その行為に子供のように熱中している2人は、ロック・ミュージシャンの理想の姿だ、と思う。来月、塚本晃は何を語るだろうか?